なぜゴルフは雨でも中止にならないのか?〜英国貴族の使命と「精神修養」のルーツを紐解く〜

ゴルフの豆知識

雨の日のゴルフ。グリップは滑るし、ボールは転がらない。
雨の抵抗で飛距離も落ち、寒さで集中力も削がれる……。

良いスコアなど期待できない過酷な状況なのに、なぜゴルファーたちはプレイを止めないのでしょうか?

実はそこには、単なる「ルールだから」では片付けられない、英国発祥のスポーツならではの深い歴史と精神性が隠されていました。

今回は、ゴルフを科学的に研究する「Dc. K(ドク)」
地獄の特訓を得意とする「デビル博士」
天才的な腕前を持つ15歳の助手「リトルモンスター」の3人の対話を通じて、ゴルフのルーツと「雨天決行の本当の理由」に迫ります。

Dc. K
Dc. K

ゴルフは何故「雨天でもプレイをするのか」

雨天での野外スポーツは「過酷」です。
ゴルフでは「グリップ」も滑るし、ボールは転がらないし、雨の抵抗で飛距離も出ないし勿論、視界が悪いので方向や距離感が掴めない物理的な問題と、寒さや集中力の低下から良いスコアは期待できない状況です。

そんな「悪条件」でのプレイを何故、止めずに行うのかお判りですか。
幾つかの答えが出て来る事と思いますが、この実際に行われているゴルフの歴史的な発祥から今日までの推移を見て行くと答えが表れることと思います。
それらに依って、ルールやマナー・習慣(慣習)が作られていきますから歴史を学ぶことは重要です。

ゴルフの起源には幾つかの説が世界各地に存在して居ります。
ゴルフの起源としては中国やオランダや英国と幾つかの説が有りますが、一般的には英国説が一番納得いく説だと思いますし、今日のルールなどを作ってきたのは英国のR&Aと言うセントアンドリュースを運営している組織(団体)が現在も世界中のゴルフの統一したルールを決定し、守っていますのでここでは英国説を取り入れて話しを進めていきましょう。

デビル
デビル博士

そもそもスポーツの大半は「子供の遊び」から派生し、やがて大人達が楽しみ、時には賭事として、細かいルールを作って来ているのと、自分の身体能力をアピールすることが目的として流行って行ったのさ。

賭事の対象となると大人たちは、相当なレベルにまで細かくルールを決めたがる訳さ。
トラブルが起き易い種目ほど「完成」されたルールが有るのはそんな理由からなのさ。
雨に依って難易度が更に高くなると言うことは、上手く打てる人も出てくるのだから練習すれば良いのさ。(ゴルフは正しい理論と『特訓』が大事なのさ

Dc. K
Dc. K

英国で生まれたり発展してきたアウトドア・スポーツに観られる共通項は何でしょうか。
サッカー・ラグビー・競馬・ポロ等は「雨天」でもプレイは原則行います。
何故なのか?
その理由の大きなポイントは英国の天候が影響しています。
ある季節には、ほぼ毎日雨が降っているのです。
なので、雨を理由にして「順延」などは意味がない気候の土地柄なのです。

でもこれだけでは、我がゴルフが世界的に雨天でもプレイすると言うことにはならないので別の理由が存在していることを見抜いて欲しいのです。

リトル
リトルモンスター

雨の多い英国では止むを得ないけど、雨の少ない国(日本を含む)では何故かな?
私は本当の答えを知っているけど、皆さん解ります?

Dc. K
Dc. K

彼の地(英国)ではどの様な人たちがゴルフをしていたのか?
何の目的でゴルフが嗜好され、今日まで続いたのかを紐解いてみましょう。

英国では、貴族やそれに準ずる階層と労働者とに分かれていた時代が長く続いてきた国なのです。
貴族とは、一体何をする人達なのか。
農産物を作ったり漁で獲物を捕ったりしないで、領民が得た物を「税」やその他の名目で徴収することで貴族階層や支配者階級は生活していたことはご存じの通りです。
なぜ、この立場に成れたのかは、貴族階層の祖先が「敵の侵略」に対して「民」を守り、民の生活や資産を外敵から防衛した実績から得られた地位だと思われます。

この貴族階級の男子は、外敵に対して我が領地を守る為に「身体を張って」領地を民を守らなければ成らない使命があります。(宿命ですね)
なので、英国のこれらの階級の男子は「全寮制」の学校に入れられ、私立の名門校で学ぶこととラグビーやサッカーなどのスポーツを必須条件として訓練していたのです。

デビル
デビル博士

いわば平和時の戦闘訓練と「限界へのチャレンジ」こそ当時のスポーツだったのじゃよ。

貴族は楽でいいなだけではなく、命を「名誉」に掛けて捨てる訓練をしていたのさ。
「決闘」と言うのを知っていると思うが、ある時代では短銃を互いに構えて1発づつ撃つ決闘やフェンシングの様に「殺傷力」の少ない形式上の「武器」で作法に則り戦っていたのさ。
勿論、当たれば痛いし、大きな身体的なダメージも受ける結果になるのだが。

Dc. K
Dc. K

我が日本には、英国人が先ず始めに神戸六甲に彼らが楽しむ施設としてゴルフ場が誕生し、その後、米国のゴルフ場運営を真似た「カントリークラブ」方式のゴルフ場の経営方法で沢山のゴルフ場が誕生してきました。

この時、当時のゴルフ場経営者(理事会)は、ゴルフの生い立ちから、都合の良い運営を行うために「ゴルフは紳士のスポーツ」だと定義して、雨が少ない我が日本で経営者から見た時に好ましいスタイル(常識)を創り挙げて来ました。

当時は、冷蔵庫などが無い時代ですから、100人を越す人の昼食材料を雨が降ったからキャンセルされては「廃棄」しなくてはいけませんので、紳士のスポーツだから雨が理由でキャンセルさせない「常識」を作り上げたのだと思われます。
何故なら、皆忙しいスケジュールを調整してプレイを予約しているのだから「雨」を理由に中止しない常識が誕生したのです。

ここで、視点を180度変えてみますと、雨を理由にプレイを中止するスポーツが見えて来ますが、それは何なのでしょうか。
野球やアメリカンフットボールが、中止するスポーツです。
この違いにこそ、今回のテーマと回答が存在しています。
野球とアメリカンフットボールの特徴は、ゴルフやラグビー・サッカーと違い「興業」が目的のスポーツなのです。
つまり、観客からの「観戦料」が目的なのですから、雨天では観客の動員に支障が有り収入が減少する開催はしないのが原則になるのです。

ゴルフなどの目的はプレイする人達の「精神修養」的な意味合いが多いのに対して、他のスポーツはビジネス的な目的(興業)とに分かれているのです。

リトル
リトルモンスター

やはり、私のルーツは貴族だった様ですね。
訓練が大好きだし率先して行動するのが得意なので、きっと貴族の生まれ変わりかと思いますので、これからは言葉使いも気をつけますわ。(笑い)

Dc. K
Dc. K

私も雨の日のプレイも台風直撃でのプレイや雪が降ってきた時にもプレイした経験が有ります。
とても、寒かったり、強風に高く上がったボールが風の影響で戻されたり、手がかじかんでまともにクラブが握れなかったり、うっすらと雪が積もったゴルフ場の「墨絵」の様な素晴らしい景色を観ることができたり、パットをしたらまるで「土星」様に雪がボールにくっついて最後は、止まると同時に真横に倒れるボールを観られた経験も有りました。

よく、雪の日にはカラーボールなら大丈夫などと知ったかぶりをする人がいますが実際には全く効果は有りません。
芝生の上に雪が付くので、打球はその雪の下に入ってしまい全く見つけることは出来ません。
雪には、ゴルフは為す術が有りません。(景色は素晴らしいですが)

今回のテーマ「何故ゴルフは雨天でも行うのか」の回答として記しました。
様々な、お考えが有って良いことと思いますので一つの考えとしてご参考まで。
これから先の我が日本のゴルフがどの様に変化して行くのかは、皆さんのゴルフに対する愛情と決意で変わるものですので、是非お願いしたいのは次の世代への「良いリレー」を続けて頂きたいものです。

リトル
リトルモンスター

雨天では、身体を冷やさない工夫と着替えは絶対必要ですね。
プレイはスコア的には期待できないけど、こんな状況だから「相手を思いやる」行為には強い印象を相手に与えるチャンスとも言えるのですから、人柄がでやすい場面とも言えますね。
ゴルフは、その方の性格やお人柄が表れるとよく言われます。
結構、見ていない様で見ていることがゴルフ場で良く起きますから。
例えば、ディボット(削った跡)のホールを打った時に、「あの状況から上手く」打ちましたね等と言われることが多いのにビックリしますよね。(よく見ているのね)
良いショットと良いプレーを楽しみましょう! できればジェントルに!

いかがでしたでしょうか。

雨の日のゴルフは、単なるスポーツの枠を超えた「限界へのチャレンジ」であり、己の精神を鍛える「修養」としての側面を色濃く残しています。

思い通りにいかない過酷な環境下で、いかに自分をコントロールし、同伴者を思いやるジェントルな振る舞いができるか。

雨の日のゴルフ場は、まさにその人の「真の人間性」が試される舞台と言えるでしょう。

次に雨のラウンドに当たってしまった時は、スコアを気にするだけでなく、ご自身の「精神修養」の場として、またとないアピールのチャンスとして楽しんでみてはいかがでしょうか。

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